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東北ひとり山旅                森井 英樹

東北の山は何度訪ねても飽きることはない。
時に見たくない現実もあるが、いつも新鮮な気持ちで入れるのも東北の山である。
今回見た植物のいくつかを紹介します。


サンショウバラ
   途中立ち寄った箱根山での残り花。
   富士、箱根周辺固有の花。
   花はタカネバラに似ているが葉は名前の通りサンショウに似る。


ヒメシャラ
   箱根が北限といわれている。
   函南原生林では周2m前後の大木がブナ、ケヤキ、アカガシ、
   ウラジロガシ等の大木と混生する。正に不伐の森。


オサバグサ
   シダに似ているが葉は非常に柔らかく、ケシ科1属1種の日本の固有種。
   和賀山塊のシナノキ、ブナ、ミネザク、チシマザサの株元に群生していた。


ハクサンチドリ
   秋田駒ケ岳は花の山。
   ムーミン谷では雪渓の切れ間に群生するチングルマ、ヒナザクラに混じっ
   て紫色の花が一際目を引いた。


イワイチョウ
   自家受粉を避けるためオシベの長い個体、メシベの長い個体を作っている。
   長い間の適応進化の所産。
   乳頭山、森吉山で数多く確認できた。


ブナの二次林
   種子用の母樹を残して伐採し、実生を育てる二次林。
   一見きれいに見えるが林床の植物は貧弱である。
   果たして元の原生的森を回復するには何百年を要するだろう。


ヒナザクラ
   東北北部固有の白花のサクラソウ。
   森吉山の東斜面に群生していた。



ブナのアガリコ林
   長年炭用に伐採され、幾度となく萌芽したブナの歴史が見える。
   鳥海山麓にはブナ林としては稀に見る広大なアガリコの森と湧水がある。



クルマユリ
   ブナ林で時折出会った亜高山性のユリ。
   葉は茎の中部に多数輪生する。
  




〜事務局からのおまけ情報〜

旅行中、偶然であった新聞者のカメラマンさんに撮られた写真が8月8日の「秋田魁新報」の夕刊1面を飾っていました。
その時の写真は↓コチラ↓

ちょっと顔まではハッキリ分りませんでしたが、シルエットでわかる人もいるのではないでしょうか?